恋するキオク
「アハハっ…」
「まじかよぉ〜」
あ、誰かいる…。
高校生かな。
わずかな明かりの灯る公園。
人影にホッとしながらも、私はその人たちの容姿を見て勝手に体が遠退いた。
大きな笑い声と派手な身なり。髪を染めたような人も何人かいて。
あまり関わらない方が、いいのかも。
え、あれ?
……圭吾くん?
公園の中心にある大きな木の下。
長いベンチに何人かがたむろしている、その中に圭吾の姿を見つけた。
思わず足が止まって、私はその光景を眺めた。
周りの人たちはあまり知らない感じだけど、他校の子かな。噂の悪い仲間の子たちかな……
たしかになんだかちょっとコワイ感じもするし、さすがに声なんてかけられるような雰囲気じゃないけど。
でも……
圭吾くん笑ってる……
圭吾はその仲間たちと、笑いながら楽しそうに話をしていた。
省吾の前でなんて絶対しないような顔。
昼間には眩しく見える髪の色も、夜の風景に落ち着いて見えて。
なんだかちょっとだけ、
ドキッとした。
「なに、あの子…こっち見てるけど」
「あ?どこ」
えっ(汗
その中にいた一人の女の子が、私を指差してみんなに声をかけた。
すると周りにいた子たちも一斉にこっちを見て……
ど、どうしよう。
「ちょっと〜、何見てんのぉ?」
「もしかしてオレたちの仲間入りたいとか」
「おいおい、何かできんのかよ」
さすがにちょっとまずい感じ。
ちらっと圭吾を見たけど、何も言わないでただ私の動揺する姿を眺めてるし。
「ねぇ、あんたどこの学校?」
そう言いながら、最初に私を見つけた女の子がこっちに近づいて来た。
「え…あの……」
どうしよう、どうしよう!
「放っとけばいいだろ、茜」
うっ、圭吾くん……