思わずきゅんときた。〜another story〜
「…久保田?」
うつむく私に声をかけた橋本くん。
だめだよ、今そんな声で呼ばないで。
心臓の音がうるさいくらい響いてる。
…きゃ…、キャラメルがほしいけど、今日は持ってない。
でも、あのキャラメルでも治りそうにないくらい…どきどきして、やばい。
「…っ!」
「…なんて、顔してんの。」
…今だけは見られたくなかった顔を、見られてしまった。
橋本くんの手によって上を向かされた顔は熱くて、真っ赤だろう。
鏡がなくても、わかる。