思わずきゅんときた。〜another story〜
今日は橋本くんのご家族は、みんなで旅行中らしく、誰も家にいないので静まりかえってる。
橋本くんは「俺のこと気にせず、旅行楽しんでほしいから。」と、ご家族に連絡はしなかったらしい。
そんな優しい橋本くんを、ほっとけるはずがないでしょう。
私は切り終わったりんごをお皿にのせて、橋本くんの部屋に向かった。
「りんご切り終わったよーー…っと、寝ていらしたか。」
少し息苦しそうに眠る橋本くんが見えた。
やっぱり、38.8℃もあるときついよね。
昨日から少しおかしいな…とは思ってたけど、ここまでとは。
…昨日の部活も無理してたんだろうな。
そう思いながら、おでこのシートをはずし、新しいものに張り替えようとしたときだった。
………ぱしっ
「えっ」
橋本くんに腕をつかまれた。
橋本くんの目はとろーんとしてる。
その目で私を見上げた。
「…くぼた…手、冷たい。」
「え?そうかな?」
自分ではあまりわからないものだ。
すると橋本くんは、そのまま私の手を…
「…!」