clover
階の違う自分の教室に真っ直ぐ帰る気分にはなれない俺は、
反対方向の階段をノロノロと上がる。



行き着いた先は屋上。



扉のすぐ横に腰をおろす。

相変わらず雨は降り続いているが、上には大きめの日除けがついているので濡れる心配はない。


壁に寄りかかりポケットから煙草を取り出す。シュッとゆう短い音の後に灰色の空に紅い火が燻る。



「・・・はぁーっ・・・」



ため息と一緒に吐き出された煙と苛ついた気持ちが、まだ止む気配のない雨の空へと消えて行った。





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