clover
-葵-
キーン コーン カーン コーン
「葵ー、そろそろ起きたらー??」
どこか間の抜けたチャイムと友人の声に重たい瞼を開けると、
無機質な蛍光灯の光と
はしゃぐ同級生たちの声に一気に視覚と聴覚を刺激された。
「あんた寝過ぎ。もうお昼だけどー??」
呆れ顔の桜に苦笑いを返し窓の外に目をやる。
─相変わらず雨か。
高校2年。季節は梅雨。学校生活はそろそろ平凡に成ってきたし、進路もぼちぼち考えなければならない。
おまけにジメジメとうっとおしい雨。
これじゃ誰だって憂鬱になってしまう。
確か嫌いな世界史があって・・・
その上雨まで降ってきて・・・嫌になって睡眠学習に切り替えた。
時間割を見ると一時間目に「世界史」の文字。
・・・こりゃあ確かに寝すぎだわ。
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