clover
「・・・桜様、ノートの方をよろしくお願いいたします。」
「うむ。サーティワンのトリプルで手を打ってやらんこともない。」
「・・・。」
代償高。
「こっちにノートと言う切り札が有るのを忘れたか。」
「・・・申し訳有りません。トリプルでよろしくお願いいたします。」
「よっしゃ!!」
ニコニコと笑う桜。桜とは1年近く一緒に居るが未だに掴めない。
黙ってればクール美人なのに。
でも甘い物に目がない所はやっぱり女の子らしいなあ。
寝起きの冴えない頭に響くクラスの女の子達のキャッキャッと騒ぐ声も、
女の子らしさとゆうか若々しさを感じさせる。
・・・眠っ。私には無理だわ。
・・・若いなあ。
「なに同級生に向かってじじくさいこと言ってんの。
てかあんた葵一くんに英語のノート返してなかったでしょ。
葵一くん取りに来てたよ-あんたが爆睡してる間に。
机ん中から勝手に取ったからね-。」
無意識に声に出していた寝起きの頭の回復の遅さを自虐しながら昨日の夜の事を思い出す。
そういえば葵一にノート借りて返してなかったなあ。
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