clover

燻る


「葵一ーノートありがとね。」


雨だったので真っ直ぐ家に帰ると、途中で葵一に会ったからノートのお礼を言っておいた。


二人共も帰宅部だけど、それぞれ私は桜と遊んでたり、葵一は勉強したり同じクラスの蓮君と絡んでたりする事が多いから、帰りが一緒になるなんて珍しい。



「ねっ、一緒に帰ろ。傘入れて。」


「は。勝手に帰れよ。葵傘あるだろ。



葵一は嫌そうな顔をしたが無理やり葵一の傘に入った。




「葵寝顔直した方が良いぞ。」



「そんなに酷く無いもん。」



拗ねてそっぽを向いて居るとクスクスと笑う葵一。



「もおっ。うるさ─」



文句でも言ってやろうとふと葵一の方を向くと
私の居るのと反対側の肩が濡れていた。


私は全然濡れて無いのに・・・



葵一ってそうゆうとこ何気に優しいよね…



「え?何??」


「え"!?な、何でも無いっ。」


葵一は怪訝そうな顔をしていたけど私は再びそっぽを向いてごまかした。



・・・もしかして私独り言癖になっちゃったのかな!?
気をつけなくちゃ。





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