梅咲く季節
ここまで来るのだって、相当悩んだ。

受験中に迷惑だって、何度も思った。

でも、もう今年しかない。

一緒に東京に行けるかもしれない。
それでも、お互い別々の道に進む私達には、今しかない。

そんな気がしてならなかった。



そして、ここまでたどり着いた。



なのに、だ。

肝心の陽希はやってこない。


今日は私立大学の受験日だから、必ずこの駅を通るはずなのに。


…何で?

帰りの新幹線の時間は刻々と近づいてくる。


何かあった?
電話してみようかな。
でも、何て言えばいい?

わからない。
わからない。
マジ、わからない。


< 8 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop