むすびても 又むすびても


必要ならば僕は、この刀で人を殺めるだろう。


いつか、その背負う命の重みに耐えられなくなる日が来るかもしれない。


それでも君が待っててくれると思えばきっと、走り続けることが出来る筈だから。





「僕には君が必要なんだよ」



背に回った手がぎゅっと僕を抱く。


小さくくぐもった声で私もと聞こえて、僕もまた、腕に力を籠めた。



冷たい雨。


でもこうしていればもう寒くはない。


いつかまた、こうして君の隣で笑えるように。


君と、まだ見ぬ子の温もりをこの手に抱けるように。


僕はここに心を置いていこう。




「……好きだよ」



これが、僕の最後の我が儘。










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