あの日の教室、1人の少女、机と椅子と黒板と。~5人の少女の物語。~
「次の日曜日、空いてるか?」

「うん」

「大阪でも、行くか」

ここから大阪まで新幹線を使っても優に1時間半はかかる。

下手したら2時間かかるかもしれない。

「んー、

じゃああそこ行かない、

最近新しいアトラクションができた洋画のテーマパーク」

「いいね」

「じゃあ朝5時半に駅の東口てどう?」

「早く行けたほうがいいからな。

そうしよう」

そう言って、誠は鞄を持ち上げる。

「帰ろう」

そう言って私たちは手をつないで帰る。

誠の細い左手と、

私の袖を捲れない右手。

日曜日楽しみだねと2人で言い合って校門を出たとき、

夕方5時を告げる「夕焼け小やけ」が流れてきた。
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