あの日の教室、1人の少女、机と椅子と黒板と。~5人の少女の物語。~
「先輩が言うには、

そろそろいじめのアンケート書く時期らしいの。

だから、その時にみんな書こう?」

と乃愛。

「待って。

赤銅会の外部講習、来てなかった?」

千鶴子が、深雪に訊く。

目をまん丸にして、深雪は頷いた。

「なんで?」

「延々とあいつ深雪の陰口言ってたよ」

赤銅会って、名門大学進学塾で、

授業中私語厳禁のはずだけど。

「だよね」

悲しげに、深雪は言った。
< 76 / 125 >

この作品をシェア

pagetop