新しい過去
「ちょっとごめんね」
そういって、舞花が席を立つ。
舞花は画面を見た時に少し辛そうな、苦しそうな顔をした。
何かあったのかな??
私は心配だった。
「ごめん、お母さんの容態が急に悪化して、病院行くことになった。」
舞花のお母さんは末期がんで、いつ死んでもおかしくない状況らしい。
「いいよ!今日は楽しかった。また集まろうね!」
私は言った。
舞花が帰っちゃうのは寂しいけど、仕方がないことだから。
「俺送るよ!急がなきゃでしょ?車乗れるの俺しかいないから。」
流星が言う。
確かに、流星以外はお酒飲んじゃってるし…。
こういう二人を見てると、付き合ってるんじゃないかって思う。
まぁ、流星には1歳年下の祐奈ちゃんいるし、舞花には1歳年上の大雅さんがいるからありえないんだけど。
「ありがと、流星。ゆぅ、じゃあね。みんなもバイバイ。」
「あーもう1時か…。俺も帰ろうかな。」
「じゃあ私も。バイバイ。」
徹も香織も帰っちゃった。
泊まっていって欲しかったな、誕生日くらい。
5人でいるとき、私はたまに孤独を感じる。
4人は仲いいんだけど、私だけなんかどこか遠くにいるような、そんな感じ。
たぶん、私の時計は、4年前のあの日から止まってるんだ。
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