雫の粒(短編小説)
欲しいモノ。
雫の粒を知ってるかしら。
万物に効くクスリらしいわ。
だから欲しいの。
私は私の病気を治すのよ。




雫の粒。
それは…愛する者を持つ者が、その人だけを思って流す一粒の涙。
愛する人がいて、涙してくれる人が居なくては…
それがその者だけを救う。
強い思いが…『雫の粒』となるのだ。







私は欲しいの。雫の粒が。
ずっと一人で生きてきた。誰も頼らず、誰も助けず…
誰でもいいの、お金に糸目は付けないから!!
探して、雫の粒を。
まだまだ生きたいの!!死にたくないの!!
お金ならあるから!!
探して、私は死にたくない…









哀れよ、人の子よ。


ソナタには、たった一粒の涙を流してくれる人もおらぬか。
ソナタには、看病をしてくれる家族も友人もいないのか。










憐れよ、の。



平等に与えた命、だというに。






憐れなり…



END
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

美しいかな、哀れかな。
麻貴/著

総文字数/1

ミステリー・サスペンス1ページ

表紙を見る
曇天の先に
麻貴/著

総文字数/331

その他1ページ

表紙を見る
誠実なる白き人
麻貴/著

総文字数/735

ファンタジー1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop