氷狼ーこんな世界でもきっとー
五章ー仲間?ー
甘和「はぁぁぁぁぁぁぁ!!気持ちいい!」
氷河「甘和、静かに。バレるから」
俺と甘和は屋上で大の字に寝転がり空を見上げていた。
屋上の鍵は合い鍵を貰っていたのでどうってことなかった
俺達にしてみれば出入り自由な安らぎの場所だった。
甘和「・・・・空をみるとさ」
氷河「うん」
甘和「自分の悩み事とかどうでもよくなるんだ。ああ、世界は広いなぁ。
その中のちっぽけな存在だなぁ。悩み事なんてそのまたちっぽけな
ものだなぁ…ってさぁ」
氷河「・・・・確かに」
世界に比べたら俺たちはちっぽけな存在でいてもいなくてもどっちでも良い
存在だ。そう考えたら、確かに悩み事なんてどうでもよくなることだった。
でも、生きている限り心に一生傷を背負いながら生きなければならなかった
俺は一族のこと。甘和は力のことを。
甘和「・・・・にしてもさぁ。いつまで持たないといけないのかなぁ?この力」
氷河「確か10年前だよな。甘和が〈人の心理を読める〉ようになったの」
甘和「うん」
10年前。俺と甘和が6歳のとき、体を襲う激しい痛みが一晩中続き朝
やっと痛みがとれたと思ったら〈人の心理〉を読めるようになったという。
10年前は初めて甘和に会った日。リュコス一族と何か関係があるのか・・・・?
それとも偶然か?
甘和「でもね」
突然甘和が口を開いた
甘和「嫌ことばかりじゃなかった。たまに心が凄く綺麗な人がいるんだ。
大体はまぁ汚い人だけど・・・・初めて心を聴いたのがお母さんで良かった
凄く綺麗で、凄く優しくて、暖かい心だったから・・・・」
母親。家。それは、大切な人。場所。・・・・甘和には帰る家がある。大切な人がいる。
俺にはないもの。俺にはない人。だから、傷つきやすい。脆い。儚い。
?「その話、詳しく聞かせてくれよ」
氷河.甘和『!?』
?「・・・・警戒しないでよ…一応同じクラスなんだし」
同じクラスの奴がなんのようだ?なるべく気付かれないように
警戒しながら問いかけてみた。
氷河「確か・・・・染岾(そやま)と、櫻逝(さくらい)・・・・だっけか?」
染岾「何だ覚えてるじゃないか」
櫻逝「なら・・・話は速い・・・さっきの話詳しく聴かせて・・・」
甘和「・・・・なんのこと?お前等、嫌い」
氷河「いきなり言ったら可哀想だろ」
染岾「嫌いって言ったのは否定しないのかよ」
甘和「話すこと・・・・ない」
氷河「そうだな。いきなり言われても俺たちはおまえ等のこと知らないし
おまえ等も俺たちのこと知らないだろ?」
染岾「じゃあ自己紹介するか」
いや、しても意味ないし・・・・
怜牙「俺は染岾怜牙(そやまりょうが)よろしく!」
勝手に始めてるし・・・・
春華「私は・・・櫻逝春華(さくらいはるか)・・・怜牙とは・・・従兄弟・・・」
おまえもかよ・・・・
怜牙「ほら、次はそっちの番!」
…そんな勝手に進めて甘和大丈夫か・・・・?
甘和「天音甘和。今すぐ消えて」
するんだ。しかも消えてって・・・・まあ同感だけど
氷河「・・・・大神氷河。甘和とは幼なじみ。俺も今すぐ消えて欲しい」
怜牙「ちょ、いきなり酷くね?」
春華「五月蝿い・・・」
怜牙「春華まで!?」
春華「もう・・・帰りなよ…」
氷河.甘和『そうしてくれると有り難い』
怜牙「静かにしてたらいい!?仲間外れ嫌だよ!?」
元々仲間じゃないし・・・・五月蝿いし・・・・なんか
話ズレてきてるし・・・・その方が有り難いけど・・・・
春華「話ズレてる…私が聴きたいのは・・・2人の力のこと・・・」
氷河・甘和『!?』
気付かれないようにしていた警戒を今回は本格的に露わにした。
何で力のことを知っている。お前達は何者だ。どこで知った。
聴きたいことが心の中で渦を巻いて。隠している歯が剥き出しになる
甘和「あ・・・・ああああああああ!!」
氷河.春華.怜牙『!?』
後ろから甘和の叫び声が聴こえた。半分は驚きが。
もう半分は焦りで振り返った。
(ヤバい・・・・!)
予想していた最悪の事態がおこった。いや、今までおきなかったのが奇跡だ
甘和には知られてはいけないもう1つの秘密があった。それはストレスや
トラウマからなる〈解離性同一性障害〉だということ。普段は何も問題なく
平和に過ごせている。あまり出てくるのが好きではないらしい。
(けど・・・・)
普段は過ごせる。普段は。
ならば、普段では無いとき。ーそう今のような状態ならー
甘和を護るために、全てをなくすために出てくるだろう。
そして-
甘和「敵・・・・排除・・・・ミワ・・・・マモル!!」
怜牙「おい!大丈夫なのかよ!!」
氷河「んなわけねぇだろ!!」
早く覇気山に行かないと・・・・!戻れなくなる!
氷河「おい!怜牙、春華!俺ら早退するって言っとけ!」
怜牙「えっ。お、おう!!」
春華「わ・・・分かった!」
俺は甘和を抱えて、屋上のフェンスから隣の山に飛び出した。
春華「えっ・・・ちょっ・・・!ええええええええ・・・!」
怜牙「おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
叫ぶ2人を後ろに俺は勢いよく飛び出した。
いや、飛び降りた。隣の覇気山めがけて_
氷河「甘和、静かに。バレるから」
俺と甘和は屋上で大の字に寝転がり空を見上げていた。
屋上の鍵は合い鍵を貰っていたのでどうってことなかった
俺達にしてみれば出入り自由な安らぎの場所だった。
甘和「・・・・空をみるとさ」
氷河「うん」
甘和「自分の悩み事とかどうでもよくなるんだ。ああ、世界は広いなぁ。
その中のちっぽけな存在だなぁ。悩み事なんてそのまたちっぽけな
ものだなぁ…ってさぁ」
氷河「・・・・確かに」
世界に比べたら俺たちはちっぽけな存在でいてもいなくてもどっちでも良い
存在だ。そう考えたら、確かに悩み事なんてどうでもよくなることだった。
でも、生きている限り心に一生傷を背負いながら生きなければならなかった
俺は一族のこと。甘和は力のことを。
甘和「・・・・にしてもさぁ。いつまで持たないといけないのかなぁ?この力」
氷河「確か10年前だよな。甘和が〈人の心理を読める〉ようになったの」
甘和「うん」
10年前。俺と甘和が6歳のとき、体を襲う激しい痛みが一晩中続き朝
やっと痛みがとれたと思ったら〈人の心理〉を読めるようになったという。
10年前は初めて甘和に会った日。リュコス一族と何か関係があるのか・・・・?
それとも偶然か?
甘和「でもね」
突然甘和が口を開いた
甘和「嫌ことばかりじゃなかった。たまに心が凄く綺麗な人がいるんだ。
大体はまぁ汚い人だけど・・・・初めて心を聴いたのがお母さんで良かった
凄く綺麗で、凄く優しくて、暖かい心だったから・・・・」
母親。家。それは、大切な人。場所。・・・・甘和には帰る家がある。大切な人がいる。
俺にはないもの。俺にはない人。だから、傷つきやすい。脆い。儚い。
?「その話、詳しく聞かせてくれよ」
氷河.甘和『!?』
?「・・・・警戒しないでよ…一応同じクラスなんだし」
同じクラスの奴がなんのようだ?なるべく気付かれないように
警戒しながら問いかけてみた。
氷河「確か・・・・染岾(そやま)と、櫻逝(さくらい)・・・・だっけか?」
染岾「何だ覚えてるじゃないか」
櫻逝「なら・・・話は速い・・・さっきの話詳しく聴かせて・・・」
甘和「・・・・なんのこと?お前等、嫌い」
氷河「いきなり言ったら可哀想だろ」
染岾「嫌いって言ったのは否定しないのかよ」
甘和「話すこと・・・・ない」
氷河「そうだな。いきなり言われても俺たちはおまえ等のこと知らないし
おまえ等も俺たちのこと知らないだろ?」
染岾「じゃあ自己紹介するか」
いや、しても意味ないし・・・・
怜牙「俺は染岾怜牙(そやまりょうが)よろしく!」
勝手に始めてるし・・・・
春華「私は・・・櫻逝春華(さくらいはるか)・・・怜牙とは・・・従兄弟・・・」
おまえもかよ・・・・
怜牙「ほら、次はそっちの番!」
…そんな勝手に進めて甘和大丈夫か・・・・?
甘和「天音甘和。今すぐ消えて」
するんだ。しかも消えてって・・・・まあ同感だけど
氷河「・・・・大神氷河。甘和とは幼なじみ。俺も今すぐ消えて欲しい」
怜牙「ちょ、いきなり酷くね?」
春華「五月蝿い・・・」
怜牙「春華まで!?」
春華「もう・・・帰りなよ…」
氷河.甘和『そうしてくれると有り難い』
怜牙「静かにしてたらいい!?仲間外れ嫌だよ!?」
元々仲間じゃないし・・・・五月蝿いし・・・・なんか
話ズレてきてるし・・・・その方が有り難いけど・・・・
春華「話ズレてる…私が聴きたいのは・・・2人の力のこと・・・」
氷河・甘和『!?』
気付かれないようにしていた警戒を今回は本格的に露わにした。
何で力のことを知っている。お前達は何者だ。どこで知った。
聴きたいことが心の中で渦を巻いて。隠している歯が剥き出しになる
甘和「あ・・・・ああああああああ!!」
氷河.春華.怜牙『!?』
後ろから甘和の叫び声が聴こえた。半分は驚きが。
もう半分は焦りで振り返った。
(ヤバい・・・・!)
予想していた最悪の事態がおこった。いや、今までおきなかったのが奇跡だ
甘和には知られてはいけないもう1つの秘密があった。それはストレスや
トラウマからなる〈解離性同一性障害〉だということ。普段は何も問題なく
平和に過ごせている。あまり出てくるのが好きではないらしい。
(けど・・・・)
普段は過ごせる。普段は。
ならば、普段では無いとき。ーそう今のような状態ならー
甘和を護るために、全てをなくすために出てくるだろう。
そして-
甘和「敵・・・・排除・・・・ミワ・・・・マモル!!」
怜牙「おい!大丈夫なのかよ!!」
氷河「んなわけねぇだろ!!」
早く覇気山に行かないと・・・・!戻れなくなる!
氷河「おい!怜牙、春華!俺ら早退するって言っとけ!」
怜牙「えっ。お、おう!!」
春華「わ・・・分かった!」
俺は甘和を抱えて、屋上のフェンスから隣の山に飛び出した。
春華「えっ・・・ちょっ・・・!ええええええええ・・・!」
怜牙「おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
叫ぶ2人を後ろに俺は勢いよく飛び出した。
いや、飛び降りた。隣の覇気山めがけて_