Ri.Night Ⅰ 【全完結】
「……ちょっとぐらい教えてくれてもいいじゃない」
そっと目を閉じて一昨日の事を思い出す。
二日前のあの日、多分鳳皇の中で何かあったんだと思う。
煌は傘下と合同会議だって言ってたけど、陽に電話したらすぐ切られちゃったし。
あれは絶対に会議なんかじゃない。
だって、室内って言うより外にいるような騒がしさだったから。
「……はぁ」
分かってる。分かってるよ。
あたしには関係ないってことぐらい。
所詮あたしは部外者。彼等の仲間じゃない。
分かってる、けど。
「暇……」
我慢出来ないぐらい暇で暇でしょうがないのだ。
気分転換にスーパーぐらいって思ったけど絶対外に出るなって煌に言われたし。
「あー、暇!」
家に引きこもりだなんてストレス溜まる!!
……内緒で買い物に行ってやろうかな。
なんて、ヤケクソ気味にそう思った時だった。
──ピーンポーン。
室内に響いたのはインターホンの音。
誰だろ?宅急便かな?
重たい腰を上げ、室内に設置されているインターホンに歩いていく。
映像を映すボタンをぽちっと押すと……。
「えっ!貴兄!?」
「凛音、久し振り。元気にしてたか?」
画面の向こうにいるのはあたしのお兄ちゃん、貴音だった。