Ri.Night Ⅰ 【全完結】
「凛音ちゃん、すごーいっ!」
体育館の端で三角座りをしながら応援してくれる妃奈。
その声にVサインをして、立ち位置に戻る。
「東條!お前手加減しろよー!」
「なんでそんなにバレー上手いんだよ!」
相手チームのコートからギャーギャー喚かれたけど、そんなの知らん振り。
「バレーは昔から好きなのっ!ほらっ!ギャーギャー言ってないでサーブ!」
あたしは早くしろと言わんばかりに構えた。
相手チームの男子は文句を言いながら構え、サーブを上げる。
上がったサーブはうちのチームの男子がレシーブして、その後、長い時間ラリーが続いた。
もう!なんで決まらないの!?
さっきからアタックしても全部返されて、これじゃいつまで経っても終わらない。
どうにかしてキメたい!
そう思った時、相手のアタックがあたしの方に向かってきた。
「東條!アウトだ!」
うちのチームの男子がそう叫んだけど、あたしには分かった。このボールはインしてるって。
間に合う!?
っていうか間に合え!!