Ri.Night Ⅰ 【全完結】
13.一時の安息
────…
「ん………」
大きな揺れに身体が傾き、目が覚めた。
そっと目を開ければ、飛び込んできたのは見慣れた景色。
どうやら寝ていたのは数分程度だったらしい。
「凛音ちゃん、もう着くよ」
その言葉にバックミラーを見ると、タイミング良く壱さんと目が合って。
にっこりと微笑んでくれる壱さんにエヘッと微笑み返した。
あ~、やっぱり壱さんは癒しだ。
壱さんの言葉通り、溜まり場には2、3分で着いた。
車から降りる準備でもしようと身体を起こした時、
「ぅわっ」
車が停車する前に目を開けた十夜さん。
タイミングが良すぎるお目覚めに、思わず飛び上がってしまった。
……十夜さん、お知らせレーダーでもついてるんですか?
「こんにちは~!」
車から降りると、恒例の挨拶タイムが始まり、みんなの後ろをついて行きながらあたしもメンバー達に手を振る。
「凛音ちゃん!」
「あ、勇介くんもう来てたんだ~」
一階にある大部屋から出てきた勇介くんに「やっほー」と手を振れば、
「凛音ちゃん、もうすぐ千暁来るらしいからさ、プロレスしようぜ!」
来て早々そんなお誘いが。
「するする~!」
もちろん乗らない訳がなく。「わーい」と手を上げて喜ぶ。