Ri.Night Ⅰ 【全完結】
「わーい。乾かしてくれるの?ありがとー」
やりぃ、と笑って飛び起きれば、「お前、少しは遠慮しろよ」と呆れた声が落ちてきて。
「まぁまぁまぁまぁ」
どーぞと言わんばかりに煌に背を向ける。
「……ったく」
とか何とか言いながら、乾かしてくれるくせに。
「あー、楽ー」
ドライヤーのスイッチが入り、慣れた手付きであたしの髪の毛を乾かし始める煌。
ガサツな性格とは違って乾かす手付きは優しくて、気持ち良すぎて寝てしまいそうになる。
……なんか煌ってママみたいだよねー。
いつもガミガミ怒ってるけど、こういう時は面倒見が良くてさ。
「むふふふふ……」
「……何笑ってんだよ。気持ち悪ぃな」
しまった。声に出てたらしい。
「何もないよー」
こんな事言ったらキレられるから絶対に言わない。
「そう言えば陽達は?」
「あぁ、アイツ等ならまだ傘下んとこに居る」
「何してるの?」
「遊んでんだろ」
「ふーん」
遊んでんのか。
あたしも構って欲しいんだけどなー。