Ri.Night Ⅰ 【全完結】
「ごめん。もう一回言って?」
意味が分からなかったあたしはもう一度冬吾くんに聞いてみた。
本気で分かっていないあたしに冬吾くんは苦笑いを浮かべ、
「凛音ちゃんは十夜さんの事好きなの?」
再度同じ事を聞いてきた。
「………」
「………」
あたしが……
「十夜を、好き?」
その言葉に小さく頷く冬吾くん。
……うーん。
「まぁ、好きかな」
無愛想だけど優しい所あるしね。
「それがどうかしたの?」
冬吾くんの言いたい事がイマイチよく分からないんだけど。
「……凜音ちゃん、意味分かってる?」
「冬吾くん、あたしそこまで馬鹿じゃないから。十夜の事好きかって聞いたんでしょ?好きだから『好き』って答えたんだよ?」
困った様な笑みを浮かべながら頭を掻く冬吾くんに、自信満々にそう応えるあたし。
「それは恋愛感情で?」
「当たり前じゃん!って、えっ!?恋愛感情!?」
「……うん。やっぱり分かってなかったんだね」
あたしのオーバーリアクションにクスクス笑う冬吾くん。
だって、冬吾くんにそんな事を聞かれるなんて思ってなかったんだもん。