Ri.Night Ⅰ 【全完結】
その日の帰り、あたしは隠し持っていた手紙を少しだけ見えるようにして机の中に入れた。
明日の朝、犯人は必ず手紙を置きに来るだろう。
その時見つけてくれれば計画通りだ。
そして放課後、いつも通り溜まり場に行った。
今日いたのは陽だけ。
陽と二人でゲームしたり、一階に遊びに行ったりして皆で楽しく過ごした。
久しぶりに話した冬吾くんは時々意味深な笑みを浮かべていたけど、あたしは全部知らん振り。
そんなあたしを見てまた苦笑していたけど、それも知らない振りした。
だってなんか悔しいもん。
冬吾くんの言う通り、十夜を気にしている自分がいるから。
駄目だ駄目だと言い聞かせてもやっぱり目で追っていて。
でもこれって、冬吾くんに言われたからだと思うのはあたしの気のせいだろうか。
……なんて、人のせいにしてるけど、本当は自分でも何となく気付いている。
でも認めたくなくて。
ううん。認めたら駄目だって心の中で葛藤してて。
あぁ、もう、頭の中がグチャグチャだ。