Ri.Night Ⅰ 【全完結】
……って落ち着けるかー!
だってだってだって、上半身裸の十夜が隣にいるんだよ!?
フェロモン垂れ流しなんだよ!?
無理でしょ!あたしには耐えれないよ!
「と、十夜。取り敢えず服着てよ」
そう言うのもなんだか恥ずかしくて、俯き加減で十夜を肘でツンツンとつついた。
「……ぷっ!凛音、顔真っ赤だぜ!?」
「う、うっさい!」
煌の余計な一声で、カァーと顔が熱くなっていく。
もう!煌の奴、ムカつく!!
「凛音、服」
「は?」
十夜さん、それはあたしに服を取って来いって事ですか?
「あたし、どれが良いのか分かんないよ?」
「………」
無視ですか。
あぁーもう!分かったよ!行けばいいんでしょ!行けば!
スクッと立ち上がり、ドスドスドスと足音を立てて寝室へと向かう。
寝室のドアを開けると、電気のスイッチを押して勢いよくクローゼットを開けた。
うーん……。何が良いんだろう?
端から端までギッシリ吊られた男物の服を見て、うーんと腕を組む。
っていうか、この部屋なんでこんなに服があるの?溜まり場だよね?
もう、ここで暮らせるじゃない。
……って、あ、これいいかも!
いや、こっちの方がいいかな?
うーん……分からない。
もう自分で決めたらいいのに。
どれがい良いのか分かんなくなったあたしは、寝室のドアを開け、
「十夜!こっち来て!あっ、ついでにドライヤーも持ってきて!」
そう言ってドアを閉めた。