Ri.Night Ⅰ 【全完結】
「あっ、十夜こっち来て!」
一分もしない内にドライヤーを持って部屋に入ってきた十夜を手招きして目の前に立たせる。
「うーん……」
色々な服を取り出して十夜に宛てがう。
こう見ると、十夜ってホント何でも似合うよねー。
Tシャツにジーパンでも格好良く見えるし。
羨ましい限りだよ、ホント。
数分後、色々合わせてみてやっと決まった。
後ろを向いて着替え終わるのを待つ。
「着た」
「どれどれ……っ、」
って、ヤバい!めっちゃ格好良いんですけど!
着替え終わった十夜を見て、思わず固まってしまったあたし。
だってだってだって、めっちゃ似合ってるんだもん!
とてもじゃないけど暴走族には見えない。
「と、十夜、髪の毛乾かそうか!」
何だか見ているのが恥ずかしくなってきて、いそいそと十夜から離れてドライヤーを掴んだ。
コンセントに差し込んでベッドへ上がると準備OK。
……って、あれ?なんで十夜来ないんだろう?
「十夜?乾かすよ?早く来て」
ポスポスとベッドを叩きながら十夜に目を向けると、十夜は何故か此方を見たまま突っ立っている。
一向に動こうとしない十夜に、ベッドを叩いて「早く!」と急かすと、十夜は無言でベッドに近付いてきた。