Ri.Night Ⅰ 【全完結】

「えっと、その手紙ね、嫌がらせされた次の日、絶対机の中に入ってたの。内容はいつも違ってたけど」


「……嫌がらせ?いつも?」


顔をしかめながら首を傾げる陽。


「お前しょっちゅう嫌がらせされてたのかよ?」


煌が険しい表情であたしを見る。


その目に見られると、なんだか心の中を見透かされてそうで嘘がつけない。


「……うん」


だから正直に頷いた。


「いつから?」


そう聞く煌は視線だけじゃなく、声も低くてオーラも怖い。


こ、怖いんですけど煌さん。


いつの間にかブラック煌様降臨。


いや、煌だけじゃない。あたしの周り全員だ。


特に隣からは凄まじい程のブラックオーラが感じる。


あたし、オーラだけで死ぬかもしれない……。


ブラックオーラが充満しまくりのこの部屋は何とも居心地が悪い。


まぁ、原因はあたしだから何も言えないんだけど。



「えーと、一ヶ月程前?確か……。あっ、あの時だ!階段から落ちて脳震盪で保健室行った日!」


「思い出した!」とポンッと手を叩く。


「保健室?お前、あの時階段から落ちたって言わなかったか?」


「………」


うん、だから怖いって煌さん。


「いやー、実はあれ、後ろから引っ張られて落とされたんだよね~。あははははは……」


「……テメェ、あはは、じゃねぇっつーの。何で言わねぇんだよボケ!!」


ひ、ひぇ!だから怖いってば!


煌の眼力が怖すぎて身体が竦む。

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