Ri.Night Ⅰ 【全完結】

「だからって……。さすが凛音だわ」


ハハッと苦笑いの陽にムッと口を尖らせる。


「あたし、これでも我慢したんだよ?それにまさか、朝手紙入れて夕方に喧嘩しに来るとは思わないし。あたしの方がビックリだよ!」


自分の言葉にウンウンと何度も頷く。


「……はぁ。呆れて何も言えねぇ」


呆れ顔で溜め息をついた煌がドスッとソファーに凭れた。


何よ、失礼なヤツ。

あたし、ホントに我慢したんだからね!

何回ぶちキレた事か。


「ははは。りっちゃんらしいって言えばりっちゃんらしいけどな」


「確かに。普通は落ち込んだりするのにキレるとこが凛音らしいよな」


陽と彼方が苦笑しながら顔を見合わせる。


……っていうか、それ誉めてないよね?


「ちょ……」


「取り敢えず次何かあったら俺らに言え。それと……」


それと?


「bladeの件が片付いても出て行かなくていい」


「……え?」


「お前が居たいのなら此処に居ろ」


「十夜……」


あたし、此処に居てもいいの?


「そうだぜ、凛音。凛音はもう俺等の仲間だろ!」


「……仲、間?」


陽の言葉に、胸がきゅぅと締め付けられる。

< 311 / 374 >

この作品をシェア

pagetop