Ri.Night Ⅰ 【全完結】
チラリ、横目で十夜の様子を窺うと、十夜はさっきと変わらず不機嫌オーラ丸出しで。
わざと歩くスピードを遅らせ、十夜が隣に並んだのを確認してからそろっと見上げた。
むー。
あからさまに見ているのに、十夜は一向にこっちを向いてくれない。
……やっぱり怒ってるんだ。
このまま無言で歩くのも変だし、話し掛けるしかないよね。
そう思ったあたしは、十夜の服の裾をクイクイッと引っ張り、「十夜、ごめん」と小声で謝った。
「………」
「………」
って無視!?この状況で無視ですか!?
別に無視は慣れてるからいいけどね。
でも、服を引っ張ったこの右手はどうしろと?
裾を引っ張ったものの、何の反応もないからまだそのままで。
無言のまま掴んでいるのも変だし離した方がいいよね。
「何で謝る」
「……へ?」
裾を離そうとした時、突然そう言われて。
思わず素頓狂な声を出してしまった。
ビックリした!
いきなり話かけないでよ!心臓に悪い!
「な、何でって喧嘩したから怒ってるんじゃないの?」
再度十夜を見上げ、恐る恐るそう問いかける。
「……違ぇ」
「えっ、違うの!?」
どういうこと?
「じゃあなんで怒ってんの?」
「……さぁな」
いやいやいや。意味分かんないんですけど。
でもまぁ、怒ってないって言ってるし良いか。