Ri.Night Ⅰ 【全完結】
「凛音」
「ん?」
ご機嫌で歩いていると、突然十夜に首根っこを掴まれて引き止められた。
苦しい苦しい!いきなり何!?
「あそこ、行くか?」
あそこ?
指を差された方へと目を向ければ、そこにはなんとイラッ〇マの人形がぶら下がったゲーセンが。
「行く行く行く!」
「わーい!」と手を上げて喜べば、浮かれたあたしに気付いた煌達が寄ってきて。
「ガキかよ」と煌に馬鹿にされながらも皆で行くことに。
クレーンが得意な彼方に色んなイラッ〇マをとって貰って、最後は皆でプリクラ撮影。
「陽、変顔ー」
「凛音こそ変顔だろ」
イジメというしがらみが無くなった今、あたしの心は澄み渡る青空のように晴れ晴れとしていた。
後から思えば、この時が一番幸せだったかもしれない。
何も知らなかったこの時が。