Ri.Night Ⅰ 【全完結】
車に乗り込むと、案の定煌に「遅い!」と怒られた。
そんな煌を「まぁまぁ」と言って宥めてくれる心優しい壱さん。
ったく、壱さんを見習えっての。
一方、十夜はと言うと、いつものように定位置で寝ていて。
今日も取り巻きが凄かったんだろうな、と眉間に皺を寄せている十夜の寝顔を見て思った。
溜まり場に着き、倉庫にいる皆にご挨拶。
あたしと陽は無言で皆にピースサイン。
そんなあたし達を見た皆は最初不思議そうにしていたけれど、すぐに意味が分かったのか笑顔でピースを返してくれた。
これこそ目と目で会話?
いや、笑顔と笑顔で会話?
違う。ピースとピースで会話だ!
倉庫内がピースで埋め尽くされるという異様な光景の中、あたし達五人はリビングへ向かった。
「おかえりー」
「ただいまー!」
リビングに入ると、どうやら彼方は既に来ていたらしく、ぴょこんとソファーから顔を覗かせてるのが目に入った。
「頑張ったな、りっちゃん」
ソファーに座るなり頭を撫でてくれた彼方に「エヘヘ」と照れるあたし。
実は、テストの結果が出た後、皆に“赤点無かったよ!”と報告メールをしておいたのだ。
因みに、彼方と壱さんは中間テストに引き続き、一位だったらしい。
十夜と煌も上位だったんだとか。
皆頭良くて羨しいよ、ホント。