Ri.Night Ⅰ 【全完結】

車に乗り込むと、案の定煌に「遅い!」と怒られた。


そんな煌を「まぁまぁ」と言って宥めてくれる心優しい壱さん。


ったく、壱さんを見習えっての。


一方、十夜はと言うと、いつものように定位置で寝ていて。

今日も取り巻きが凄かったんだろうな、と眉間に皺を寄せている十夜の寝顔を見て思った。








溜まり場に着き、倉庫にいる皆にご挨拶。


あたしと陽は無言で皆にピースサイン。


そんなあたし達を見た皆は最初不思議そうにしていたけれど、すぐに意味が分かったのか笑顔でピースを返してくれた。


これこそ目と目で会話?

いや、笑顔と笑顔で会話?


違う。ピースとピースで会話だ!


倉庫内がピースで埋め尽くされるという異様な光景の中、あたし達五人はリビングへ向かった。


「おかえりー」

「ただいまー!」


リビングに入ると、どうやら彼方は既に来ていたらしく、ぴょこんとソファーから顔を覗かせてるのが目に入った。


「頑張ったな、りっちゃん」


ソファーに座るなり頭を撫でてくれた彼方に「エヘヘ」と照れるあたし。


実は、テストの結果が出た後、皆に“赤点無かったよ!”と報告メールをしておいたのだ。


因みに、彼方と壱さんは中間テストに引き続き、一位だったらしい。

十夜と煌も上位だったんだとか。

皆頭良くて羨しいよ、ホント。

< 362 / 374 >

この作品をシェア

pagetop