Ri.Night Ⅰ 【全完結】
5. 理由


────…


入学式から一夜明けた翌日。


昨日に引き続きポカポカな快晴の中、あたしはスキップしそうなぐらい軽い足取りで学校へ向かった。



「おはよー!」



勢いよく教室の扉を開け、教室中に響き渡るぐらい大きな声で挨拶をする。


ほぼ初対面でこんな挨拶をするあたしってある意味凄いのかもしれない。


肝が据わってるというかなんというか。


自分でも感心する。



「東條さん、だっけ?おはよー!」


「うーっす!」



そんなあたしに変な顔もせず挨拶を返してくれるクラスメート達。


一見悪そうに見えるのに案外いい人達で。


これからの高校生活、楽しくなりそう。



……って、あれ?まだ妃奈来てない?



机の上にも横にも鞄の姿はない。


という事はまだ来てないのかな?



「西上さん探してんの?まだ来てないみたいだぜ?」



キョロキョロと教室内を見回していると、前の席に座っていた男の子が振り返ってそう教えてくれた。



「西上さんが来るまで俺と喋る?」



恥ずかしいのか、頬を緩め、コテンと首を傾げる男の子。



かわ……っ!!



頬を染めるその顔があまりにも可愛いくて、



「可愛い!!」


「ぐぇ……!」



人目も気にせず、後ろから抱き着いた。


何この男の子!超可愛いんですけど!
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