笑っている君が好き。
カタオモイ
君と彼女
「―――であるからして…」
教室に静かに響く、先生の声とシャーペンの走る音。
はじめはやる気があった授業も、2月の今にはシャーペンを持つ気すら起こらない。
そんな退屈な授業で、ふと目が行くのは斜め前の………
――――戸坂優輝‐トサカ ユウキ‐君の席。
授業中はつい目が行ってしまう。
特にこんな退屈な授業な時ほど。
授業聞かないでスマホいじってるし…。
でもそんな姿も、絵になってる。
モデル並みに小さい顔に、すっと通った鼻。
茶色がかった髪の毛と、女子も羨む綺麗な睫毛。
そんな彼の口元が少し緩んだ。
――――――ドキッ。
少しはねた鼓動は、自分の耳にも届かなかった。