ねぇ、どうして君は【Final】
「ん、よくできました」
そう言って抱きしめれば、桜は小さく「意地悪」とそう呟いた。
可愛いな、なんて思っていると。
「あ…!」
突然、俺の胸の中で何か思いついたように声を上げる彼女。
「えへへー」とイタズラに微笑んで顔を上げる。
何か企んでるということは容易に想像がついた。
でも、それが何なのかはわからなくて。
「ねぇ、真那斗?目瞑って?」
さっきまで恥ずかしがっていたのにサラッと名前で呼んでそう言ってきた。