夢みる王子さま
変わり始めた日常
親同士が仲が良く、ご近所さんのつみきちゃんとは物心ついた時から一緒にいた。
女の子にしては長身で目つきが悪くキツイ顔立ちをしていて、しかも見た目を裏切らず性格まで気が強い。
だけど、困っていたらなんだかんだ言いながらもほっとけない性質(タチ)で、
なよなよして頼りない自分をいつも守ってくれていた。
そんなつみきちゃんが最近素っ気ない。
「あら、歩夢ちゃん。一緒じゃなかったのね?つみきならもう行っちゃったわよ?」
「え・・・」
「最近、帰るのも早いし・・・喧嘩でもしたの?」
「いえ・・・」
いつも登下校は必ず一緒に行っていたのに。
住宅を横切り、駅まで歩きながら考える。
僕の事を避けているのだろうか・・・
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