サボテンの王子様
だからと言って素直にここに知らない男を住まわせるわけにはいかない。


まだまだ痴漢の線は濃厚だし。
現に裸で私に抱きついてるし。
もちろん‥あたってるぞ‥


「それに俺は、自分が陽子のサボテンだって証明出来るんだぜ?」


「またまた〜」


そんなこと出来るはずがないとつい笑ってしまった。


「じゃあ逆に聞くけど、なぜ俺はお前の名前を知ってるんだ?」



…確かに

さっきからこの自称サボテン男は私の名前を呼んでいた。
考えて私。



「…でもそれは、あなたが私と同じ大学だったり
ストーカーで郵便物を見ていたりしたら、すぐにわかるようなもんじゃないの?」


自称サボテン男の方も少し考える。




「確かに名前だけならそうかもしれないな


でも


俺は陽子のサボテンしか知らないことを知ってるんだぜ」

< 12 / 14 >

この作品をシェア

pagetop