サボテンの王子様


「寂しいな‥ サボテンくんよぉ〜」


窓際に置いてあったサボテンを手元まで持ってくる。

二年前当時の彼氏と別れた時
落ち込んでいた私に妹がプレゼントしてくれたのがこのサボテン。


日頃の愚痴から嬉しかったことまで、とにかくサボテン相手に話をしてきた。

‥はたから見たら、きっと頭がおかしい人だと思われるんだろうなぁ。


サボテン相手に1人ごちていた自分に少し呆れて笑う。

友達がいないわけでもなかったけれど、何でもかんでも友達に言えるわけではないわけで。

特に恋愛なんかはそう。

私とあの人の秘密にしておきたいではないですか。

でも、辛いことは吐き出さないとさすがに自分が潰れてしまう。

< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop