彼はあの子の婚約者
鮎は今、アメリカに留学している。


だから、お父様とお母様は
鮎が留学している間の恋愛は
好きにして良いが、日本に帰ってきたら
その子とは別れなさいと
言っている。



最初は、その事を踏まえた上で
ただ、恋愛してみたいという
感情に少し、絡まれてただけだった。



一目惚れしたのも、事実だけど、
それは一時のものだと思ってた。



でも、莉緒といると
楽しくて、幸せでしかなかった。



最初のあの気持ちは
付き合ってるうちに消えていた。



僕は本当に莉緒に恋してしまった。


でも、お父様とお母様に
迷惑はかけられない。



小さい頃から、お父様とお母様が
どんなけ大変な思いをして、
ここまで、会社を大きくしたのか
分かっていた。



だから、僕の恋愛で
この会社を潰したくない。



それに……莉緒だって……
莉緒にだって、僕よりふさわしい人が
いる。
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