彼はあの子の婚約者
わたしは泣きながら叫んだ。
確かに、陸の気持ちもわからなくは
ない。
でも、そんな愛のない結婚より
私と結婚してほしい。
わたしはそこまで、考えたのに……
莉緒「もぅ、帰る‼︎陸とも別れる‼︎」
私はタクシーを呼んで、1人泣きながら
家に帰った。
家に帰っても家政婦の新城さんしか
いない。
ここで、私が財閥の娘だと
改めて実感する。
普通の子の家よりちょっと
大きくて、家政婦さんがいて、
あぁ、本当なんだな。
私はお風呂にも入らずそのまま
寝てしまった。