喋らないキミへの幸せ
昼食をとるため屋上に向かった。



一人でいることは寂しくなんかない。



でも…。



「やっぱここでもそうなりますか…。」



一人、屋上で小さく呟いた。



「やっぱ、此処に居た~。何してんの?」



後ろを振り向くと私の知っている声、そう、椎名いおりの声だった。



「あなたこそ何で此処に?呑気でいいわね。」



「ミカほどじゃないよ。」



「てか勝手に下の名前で呼ぶな。」



友達でもないのに馴れ馴れしく言わないでほしい。



「えーいいじゃ~ん。ケチ。」



「ケチじゃない。関わんなよ…あほ…。」



「あー!今あほって言ったー!ミカの方があほだしー。」



最後の一言は聞こえないようにしたのに聞こえてたのか。


< 86 / 109 >

この作品をシェア

pagetop