喋らないキミへの幸せ
「は?いおりに言われたくねーわっ!」


「ぷっははは。」



いおりが間をおき笑い出す。



あれ。今…私いおりって…。



「いおりって言ってくれた!」


「勘違いしないで!間違っただけ。」



「ぷっ、間違っただけって。」


「じゃ、そろそろ行く。」


いおりを無視して屋上を後にした。



無視して来ちゃったけど大丈夫だったかな…?



本当、久しぶりにこんな会話したな。



その瞬間よみがえる昔の記憶。



だめ、私は“独り”で大丈夫。仲良くしたらまた…。



その日はぼーっとして午後の授業を受けた。

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