天使と悪魔




「ねぇ!」


一斉に声の主に注目した


「なんで私を助けてくれたの?そして、なんなの?その力は!」




やっぱり声の主は魔矢だった



「あー!確かに!さっき後でって言ってたからなぁー!?教えろよ!」



いちいちうるさい奴らだな


あー!

さっきあんな事言わなければ良かったーー!


面倒くさいな



「早くしろよ」



はぁ




これは言わなきゃ駄目っぽいな



「別に。こんな所で死なれると迷惑だから。ただそれだけよ。」





我ながら冷たい言葉だな。


でも、これは事実だ。


こんなざこも倒せなきゃやっていけない


この先が不安で仕方ない



「迷惑なんだったらほっておけばいいのに。」


うん。

こっちも正論だ




「たけど、あなたはほっておかなかった」



「………」




「理由はどうであれこれだけは言わせて。ありがとう」





“ありがとう”




たった一言だけなのになぜか胸の奥が熱くなった。


この感情はなに?


もしかして私、喜んでる?


そんな事あるはずがない。


だって私の心は鬼に半分支配されている


こんな感情が面に出て来るはずがない


落ち着け

落ち着くんだよ!


取り乱すな


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