天使と悪魔




悪斗の左手首に黒い靄がまとわりついている








え!?


あれは鬼の体の一部





「くっそ!取れねぇ!」





やばい


どんどん鬼に飲み込まれていく悪斗


このまま鬼を倒すのを優先したらきっと悪斗は鬼に支配されて醜い鬼と化してしまう






助けなきゃ!!
 






そう思い悪斗に走り出そうとしたとき





ふと頭の中でさっきの言葉がよみがえった




『今度お前が仲間を助けたら今度こそお前を乗っ取ってやる』




さっきの赤鬼月鳥の言葉




助けたら乗っ取られる





でも助けなかったら悪斗が殺される






「愛梨!?速く!?!」



仲間が私を呼ぶ声がする



「ッチ!!これは死ぬしかないか!」



誰にも助けを求めずにひとりで決断した仲間の声がする








仲間………ね……






仲間なんていらないのに




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