問題児のヒミツ[短編]
ヒ・ラ・ケ
そんな口パクをされて、開いてみる。
ていうか、こんな手紙いつのまにいれたの……。
「……」
その手紙には、こう書かれていた。
『放課後話あるからまた一緒に帰ろうぜ』
どくん、となぜか胸が高鳴る。
な、なんでこんなに慌ててるの。
昨日だって普通に帰ったし。
バカみたい、ちょっと嬉しい、なんて。
ちら、と鈴谷のほうを見ると、にぃっと笑われた。
屈託のない笑顔。
ああもう、心臓うるさいから。
あいつのことは、まだ、好きじゃないから。