問題児のヒミツ[短編]



ふっ、と腕の力がゆるくなり、あたしたちは離れた。


「…」


のは、いいけど、なぜかすごく雫に見られている。


「な、に?」


おそるおそる顔をあげるとやっぱりじーっとあたしを見つめている。


なに?なんかついてる?


「さっきの言ったのホントに雅?」


「なっ、ほかに誰がいるの」


すると雫は顔を赤くして言った。


「好きとか、雅が面と向かって言うと思わなかったから」


「う、うるさいな。もう暗くなるし帰ろ!」


あたしはくるっと回って来た道を歩く。


「あ、待てよ」


「え」


追い付いてきた雫が手を繋いできた。


「だめか?」


そんな顔して見ないでよ。

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