問題児のヒミツ[短編]
もうすぐチャイムも鳴るって言うのにぎゃーぎゃーと騒ぐ私たちは、かなりの注目を集めていたと思う。
そして、その一瞬後、注目が驚きの視線へと変わる。
「はぁ!?冗談だと!?」
ばんっ!!と、思いっきり机に手を叩きつける鈴谷。
「そ、そうだよ」
その迫力に、一歩後ずさりしそうになる。
そんな私のネクタイを鈴谷はグイッと引っ張り、あろうことかそのまま、
私の唇にキスをした。
「なっ、……、あっ」
あまりに衝撃的な出来事に、私は一瞬理解できくて、気づいたら床にペタン、と座り込んでいた。
そんな私に鈴谷は言い放った。
「これが俺の本気ってやつだよ」
……そのあと、教室中は叫び声とざわめきに包まれたのは言うまでもない。