問題児のヒミツ[短編]
準備期間は、実行委員として、ほぼ毎日会ってたのに当日になったら、姿も見せないなんて。
なんなの全く。
あ、なんかイライラしてきた。
「1-5メイド喫茶やってまーす」
絶対に客なんかこないテンションで宣伝する。
ああもう、教室帰っちゃおうかなぁ。
「おぉ!メイドちゃんいるじゃん!かっわいー!おいメイドちゃーん?」
「勝己うるせー!」
げらげら、とうるさい声が後ろからして、呼ばれては無視することもできずに振り返る。
「うわ!想像以上に可愛いじゃん!なぁ俺らになんかイイご奉仕してくんねぇの?」
「あー、そりゃいいわぁ、俺もしてー!」
うるっっっさいな、下品なんだよもぉ!
「そういうサービスはしてません」
真顔で睨みながら答えると、余計に興味を持たれてしまったようで、
「ちょ~~、あっち行こうぜ?」
「あっ、ちょっと」
右腕を引っ張られて、というかもう半ば引きずられそうになる。