問題児のヒミツ[短編]
「お前、バカってひどいだろ」
「だって…」
「あー、もう!こんなとこでしたくなかったってのに…」
雫は、ちょっと不機嫌になって、ポケットからなにかを取り出した。
なに?箱?
「開けてみろ」
手に持たされた小さな箱を開ける。
「…え、あ?」
…閉める。
「え、おい、なんで閉めた」
雫が呆れた顔をするその顔が霞んでく。
中に入ってたのは、小さなハートのネックレス。
「今日で、1ヶ月だろ?付き合って。だから、こんなもんだけど受け取ってくれ」
「っ、ぅ、やっぱバカ…」
「バカバカうるせーな」
そう言いながらも、雫は泣き出したあたしの頭を撫でてくれた。
「だから、文化祭の仕事なんかなくして、放課後にやろうと思ってたんだよ」