問題児のヒミツ[短編]
「あっはっはっ!あのっ、あの鈴谷がっ!」
「うるさい花凛、今一応授業中だからね」
あたしたちは授業をサボり、今屋上にいる。
もちろんさっきの話をするため……というか、あの空間にいるのがいたたまれないから逃げてきたってのもある。
冷たい風が、あたしの熱くなった頬を冷ましていく。
あ~~、恥ずかしいっ!
なんなのもう!公開処刑ってやつ!?
「しかし、あの鈴谷がみやのこと好きだったとは驚きだゎー」
ひひ、とさんざん笑ったのにまだ笑いをこぼす花凛にデコピンをする。
「絶対に何かの冗談だよ、うん、ありえないもん」
「そうかなぁー、あたしにはあれはガチ以外の何物にも見えなかったけど」
そんな真剣な目で言わないでよ、花凛の癖に。
そんな花凛から、ぷい、と顔を背けると笑い声だけが聞こえてくる。
「そんな意地張らなくたって、あたしも好きよ♡とか言っとけばよかったのに」
「なんで好きでもないのに付き合うの?」
「カッコいいから?」
ばしっ
「あいたっ!冗談に決まってるじゃん!」
「もう教室帰る!」
「なに言ってんのー、みやが誘ったくせにっ」
あ、でも今帰っても木田の授業じゃ怒られるな……。
うーん、とドアの前で悩んでいると突如思いっきりドアが開いた。
当然、目の前にいたあたしは吹っ飛びました、はい。
「いったぁ……」
「みやっ!?」
花凛が慌てた様子で駆け寄ってくる。
あれ、なんで空が見えてるんだろ。
あ、倒れたのか。