2人だけの秘密。
広喜くんが全然あたしに構ってくれなかったぶん、今は修史さんと一緒にいれて凄く幸せだ。
だって修史さんはたまに意地悪だけど優しいし、あたしのことを好きでいてくれているのが目に見えてわかるから。
あたしは独りニヤけながら修史さんにメールの返信を打つと、晩ごはんに使った食器を洗ってお風呂に入った。
その後は髪を乾かして洗濯機を回していると、その時玄関でチャイムが鳴った。
「!」
…誰だろう。
あたしは不安に思いながらも、恐る恐る玄関に近づく。
そしてドアの覗き穴を覗いて見るけれど、そこは手で塞がれてあるのか全く見えない。
…怪しい。
物凄く不安な気持ちを抱えながらもとりあえずその音を無視してみるけど、チャイムは何度も鳴る。
…でも、まさか。
広喜くんじゃないよね。そんなわけない。
あたしはそう思うと、ドアにチェーンをかけてゆっくりとそれを開けた。
すると、そこにいたのは…
「!!っ…修史さん!」
仕事帰りの、修史さんだった。