2人だけの秘密。
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広喜くんとの夜を過ごしたあとは、夢の中に入る。
それが夢だと気づかないままでいると、
あたしはふいに誰かに名前を呼ばれた。
「鏡子、」
「!」
…広喜くんじゃない、聞き覚えのある男の人の声。
でもあたしは、もうその声を聞いただけで誰の声なのかがわかるようになってしまった。
あたしが声のした方を振り向くと、そこにはやっぱり“君”が立っていて…。
君の名前を知らないあたしは、それでも笑顔で君の傍に駆け寄ると、その時確かに幸せを感じた。
…いつも、そうだ。
いつも幸せだから、この感じを不思議に思う。
その気持ちを表には出さずに君の目の前に来ると、君は優しい笑顔でいつもと同じセリフを口にした。
「愛してるよ」