2人だけの秘密。
最終章
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修史 side
朝早く店に来て、パソコンと向かい合う。
見ているのはこの店の売上表。
前は赤字だらけだったこの支店も、努力の甲斐あってか今じゃ黒字ばかりになっているらしい。
このまま結果を出していけばいずれはまた出世できるかもしれないし、そうなれば鏡子との結婚だってあるかもな。
俺はそう思うと、早速本店の上司に電話した。
「……あ、もしもし。すいません、この前の異動の件なんですけど───…」
…………
そして、その夜。
鏡子のマンションに晩ごはんを食べに行ったら、今日はなんとなく鏡子の様子がおかしかった。
「…鏡子、どした?」
「え、」
「なんか顔色悪くない?」
俺はそう言うと、鏡子の顔を覗き込む。
すると鏡子は一瞬表情をこわばらせたように見えたけど、すぐに笑顔を浮かべて…
「ちょっと体調が悪いですけど、大丈夫ですよ」
そう言って、目の前のご飯を食べた。
「?…そう?無理すんなよ、」
「はい、」
…でもその時はまだ、気付かない。