2人だけの秘密。
………
………
そして、鏡子が仕事を辞めて数日が経ったある日。
仕事から帰って来ると、そこには鏡子が合鍵を使って来ていた。
「…あ、修史さんおかえりなさい」
鏡子は晩ごはんを作ってくれているのかキッチンに立ってそう言うと、ふんわりした笑顔を俺に向ける。
まさか鏡子が来てくれているなんて思ってもみなかった俺は、会えたことの嬉しさで後ろから鏡子を抱きしめた。
「!」
「…ただいま」
それだけを言って、鏡子を抱きしめる腕に力を入れる。
そして…
「…何作ってんの?」
背後でそう聞いてそこを覗き込んだら、鏡子は慌てたように手元を隠して言った。
「見ちゃダメ!出来るまでのお楽しみなんだから、」
「ちぇー、つまんないの」