2人だけの秘密。
……………
それからは、修史さんはそのままあたしの実家に泊まることになって、その時にあたしの両親に修史さんを紹介した。
修史さんは緊張していたみたいだったけど、あたしがシングルマザーだからってずっと心配していた両親は、突然の結婚でも凄く喜んでくれた。
ミキちゃんはまだ小さいからよくわかっていないみたいだけど、これから先パパの存在を知らずに寂しさを感じてしまうより、ずっといい。
…―――そして、その夜。
ミキちゃんを寝かしつけたあと、ふいに修史さんがあたしに言った。
「ね、鏡子」
「うん?」
その声に修史さんを見ると、修史さんがあたしに手招きをする。
そしてあたしがソファーに座っている修史さんの隣に行くと、修史さんが言った。
「俺さ、一つだけ鏡子に言ってなかったことがあるんだけど」
修史さんはそう言うと、チラリとあたしに目を遣る。
そのことに、あたしは思わず少しだけ不安を覚えてしまう。
だけどそうしている間にも、修史さんが言葉を続けて言った。
「俺、本当は……
学生の頃、すっげー不良だったの 」
その言葉に、あたしはびっくりして固まった。
「………え」